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(社会保険労務士制度の改善に関する特別(附帯)決議) 社会保険労務士制度の現状にかんがみ、次の事項について改善を図るものとする。
一 略
二 社会保険労務士と行政書士のそれぞれの資格制度及び業務分野の独自性にかんがみ、すでに行政書士の資格を得ている者を除いては、近い将来、社会保険労務士の業務と行政書士の業務の完全な分離を図る措置を講ずるものとすること。 (昭和53年5月9日 衆議院社会労働委員会 特別決議)
(昭和53年5月11日 参議院社会労働委員会 附帯決議)
4.昭和55年の行政書士法の改正に伴う行政書士と社会保険労務士業務
3.のとおり行政書士との事務分離については、前回の第1次法改正で積み残され、第2次の法改正でその分離を図るべく本格的な取り組みを開始していたところ、行政書士法改正の動きが昭和54年5月に表面化した。
その内容は、提出代行業務及び相談業務を行政書士の業務に加えるというものであったが、この改正案がそのまま成立すると先の改正時の衆参両議院の特別(附帯)決議の「近い将来業務調整を行う」という趣旨に反することとなるので、関係方面に調整を行った。
その結果、日本行政書士会連合会との間に行政書士法第1条かっこ書及び社会保険労務士法第2条第2項かっこ書を削除し、現に行政書士会の会員には既得権として当分の間、1号及び2号業務についてのみを認めるという行政書士法改正案についての話し含いが成立した。
そして、この行政書士法改正法案は、昭和55年4月23日に成立した(行政書士法の一部改正及び社会保険労務士法の一部改正、昭和55年法律第29号、昭和55年4月30日公布、同9月1日施行)。
それに伴い次のとおり附則が設けられた。
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附則(昭和55・4・30法律第29号)抄
(施行期日)
一 この法律は、昭和55年9月1日から施行する。
(経過措置)
二 この法律の施行の際現に行政書士会に入会している行政書士である者は、当分の間、この法律による改正後の行政書士法第1条第2項の規定にかかわらず、他人の依頼を受けて報酬を得て、社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)第2条第1項第1号及ぴ第2号に掲げる事務を業とすることができる(以下略)(なお、行政書士法の附則でも同じ規定が明記されている)。
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その内容は、経過措置として現在行政書士会に入会している行政書士については、当分の間、法第2条第1項第1号及び第2号の業務を行うことが認められるものの、9月1日以降行政書士会に入会した者については「行政書士は前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない」という規定(行政書士法第1条第2項)により、行政書士の資格のみで社会保険労務士の第1号及び第2号業務を行った場合には、行政書士法、社会保険労務士法違反となるというものである。
改正行政書士法は9月1日から施行されたが、連合会としては、既得権を有する者がこれまでどおり社会保険労務士業務を行うことはやむを得ないとしても、9月1日以降行政書士会に入会した者については明確に区別する必要があるとして、主務官庁に申入れた結果、昭和55年8月29日付庁保発第23号及び労徴発第46号で社会保険庁長官官房総務課長及び労働大臣官房労働保険徴収課長よりその取扱方法が通知された(別添2参照)。
その方法は、まず行政書士会に8月31日現在の会員名簿(氏名、事務所所在地、会員番号、入会年月日等を記載したもの)を都道府県民生主管部及び労働基準局に提出させ、その名簿を各行政窓口に備えることとするほか、個々の行政書士にも作成した書類の末尾または欄外に「入会年月日」を表示することを義務づけるというものである。
従って、社会保険事務所等に備え付けられている昭和55年8月末日現在の行政書士会の会員行政書士以外は、既得権として認められた社会保険労務士法第2条第1項第1号及ぴ第2号の業務ができなくなり、これによって社会保険労務士と行政書士との士業分離は、昭和56年にめざした第2次法改正を待たずに一応確立したわけである。
(別添1)
庁文発第2084号
労働省発労徴第56号
昭和53年8月8日
都道府県民生主管部(局)長
殿
都道府県労働基準局長
社会保険庁長官官房総務課長
労働大臣官房長
社会保険労務士法の一部を改正する法律の施行について
社会保険労務士法の一部を改正する法律(昭和53年法律第52号。以下「改正法」という。)及び社会保険労務士法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(昭和53年政令第308号。以下「改正政令」という。)の施行については、昭和53年8月8日付厚生省発社保第144号・労働省発徴第55号をもって厚生事務次官及び労働事務次官より通達されたところであるが、改正法及び改正政令の施行に伴い、社会保険労務士法施行規則の一部を改正する省令(昭和53年厚生・労働省令第1号。以下「改正省令」という。)が本日公布され、本年9月1日から施行されることになった。
これらの改正法令の施行に当たって留意すべき事項及び改正省令の内容は下記のとおりであるので、その事務処理に遺憾のないようにされたい。
なお、このことについては、労働省と協議ずみであり、労働大臣官房長より都道府県労働基準局長あて別途同文をもって通知ずみである。
第1 提出代行事務について
改正法による改正後の社会保険労務士法(以下「法」という。)第2条第1項第1号の2の規定により、社会保険労務士は、労働社会保険諸法令に基づき事業主、使用者その他の事業者(以下「事業主等」という。)が行政機関等に提出すべき書類(以下「提出書類」という。)について、その提出に関する手続を代わってすること(以下この事務を「提出代行事務」という。)ができることとされたが、これについては以下の事項に留意すること。 1 提出代行事務の内容 (1) 略 (2) 略 2 提出代行事務の表示 (1) 略 (2) 略 (3) 略 3 提出代行事務の取扱い (1) 略 (2) 略 (3) 略 (4) 行政書士については、従来どおり提出書類等の作成のみで、提出代行事務はできないこと。
以下略
(別添2)
庁保発第23号
労徴発第46号
昭和55年8月29日
都道府県民生主管部〈局)長
都道府県労働基準局長 殿
都道府県労働主管部長
社会保険庁長官官房総務課長
労働大臣官房労働保険徴収課長
行政書士法の一部を改正する法律の施行に伴う
行政書士と社会保険労務士の業務の調整について
行政書士法の一部を改正する法律(昭和55年法律第29号。以下「改正法」という。)は、本年4月30日に公布され、9月1日から施行されることとなった。ついては、改正法の施行に伴う行政書士と社会保険労務士の業務の調整問題に関し、下記の事項に留意し、業務の円滑な推進を図られたく通知する。
なお、下記2の事項については、日本行政書士会連合会と協議の上、その協力を得ることとしているので念のため申し添える。
記
1 改正法(社会保険労務士法に関係する部分)の概略
従来、行政書士は、社会保険労務士法第2条第1項第1号及び第2号に掲げる事務については、これを業として行うことができるものとされていたが、改正法により、今後は、行政書士の業務と社会保険労務士の業務とを完全に分離することとし、行政書士は上記の事務を業として行うことができないこととされたこと。
ただし、経過措置として、改正法の施行の際現に行政書士会に入会している行政書士である者は、当分の間、改正法による改正後の行政書士法第1条第2項の規定にかかわらず、他人の依頼を受け報酬を得て、社会保険労務士法第2条第1項第1号及び第2号に掲げる事務を業とすることができることとされたこと。
2 都道府県行政書士会の協力の確保
改正法の経過措置を具体的に実施するに当たっては、貴都道府県行政書士会に対し、次の諸措置についての協力を求め、円滑なる事務処理を期すること。
(1) 改正法の施行の際、現に行政書士会に入会している行政書士である者を把握するため、行政書士会から、昭和55年8月末日現在における会員名簿(氏名、事務所の所在地、会員番号、入会年月日、電話番号等を記載したもの)の提出を受け、提出された会員名簿は社会保険事務所等に備え付けた上、必要に応じ事務処理に活用すること。
(2) 改正法の施行の際、現に行政書士会に入会している行政書士である者が、社会保険労務士法別表1に掲げる法令のうち、社会保険に関する法令に基づいて行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書その他の書類を作成した場合においては、当該書類の末尾又は欄外に、改正法の施行の際に行政書士会に入会している行政書士である旨の表示(例えば、行政書士会への入会年月日等)を付すよう行政書士会を通じて指導すること。
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